I know My story

節操のないオタクです

ジャニヲタ10年選手による「ボイメンステージ 諦めが悪い男たち~NEVER SAY NEVER~ 」の感想

正直言ってなめてたと思う。舞台の途中から、何!?こんなに良い舞台だって聞いてないんだけど!?とパニックになり、最終的に大号泣して終わったレッド公演千秋楽。自称フッ軽オタクの為、常日頃から誘われた現場には時間とお金の許す限り出向くようにしている。おかげで楽しいことも増えたが、反対にこんなものにお金を払ってしまった後悔することも多くなった。だが、今回のようにごく稀に本命ではない現場で、このような現場に出くわすことがあるので、フッ軽オタクはやめられない。

 

今回誘ってもらったレッド公演千秋楽は座席がとても良かったため、事前に1回くらい当日券で入ろうと計画していた。しかし年度末なこともあり仕事が片付かず観劇出来なかったため、日曜日に行われた大反省会というイベントを観に行くことにした。大反省会は舞台ではなくトークショーで「普通に」楽しかった。顔が良く長身という男性的ハイスペックを持ち合わせ、常にスクールカースト上位に所属してきたであろう彼らのトークを聞くのは、私のような喪女にとって貴重な機会だった。私はかれこれ10年ほどジャニヲタをしているが、ジャニーズは小さい頃からジャニーズ事務所に所属しているが故に、普通のスクールライフを送れていない子が多い。また平均身長並の子が多く(私は男性のスクールカーストには身長が大きく関係していると思っている)彼らからはスクールカースト上位という雰囲気をあまり感じることがない。そのため、ボイメンのスクールカースト上位の者同士の会話は楽しいと同時に眩しくもあった。

 

そして迎えたレッド千秋楽公演。大反省会での彼らを想像していたら、全くもって違った。こんなに歌って踊れる人たちだったのか?2日前に見た(チャラい)人たちは何処へ?またこれは私の趣味趣向の話になってしまうのだが、三次元の人たちの色恋沙汰をドラマ・映画・舞台を通して見ることがとても苦手であり、特にアイドルに対していわゆる胸キュンを求めていないため、それらが排除された舞台は自分が1番見たかったエンターテイメントだった。私が求めていたのはこういう明日を生きる活力を得る舞台だ!!!と叫びたくなったし、パンフレットの社長さんの言葉の中に「名古屋の地で『男性版宝塚』を作ろうと結成したのがBOYS AND MEN」とあり嬉しくて涙が出そうだった。

…また、これは怒られるかもしれないが、私が大好きだった、ジャニーさんの作るエンターテイメントに似たものがそこにはあった。ジャニーさんの作る舞台には、ほぼ男性しか存在しなかった。ジャニーさんはまだ「男性が歌って踊る」ことが珍しい時代に、そこに価値を見出しジャニーズを作った人である。その考えが大好きだった私は、他にもそういう考えを持っている方がいたのだとすごく嬉しかったのだ。

 

結局レッド千秋楽公演の後、当日券でブルー公演を2回見て私のボイステは終了した。このご時世のこともあり、色々と響いた言葉もあったのかもしれない。(本人達も言っていたように、どんなことがあっても幕を開けよう等)ただ観劇した3回とも涙が止まらなかったし、それに何よりキャストが毎回違うことに驚いた。これまでも色々な舞台を見てきたが、ここまで各キャストが入れ替わる舞台は初めてだ。ボイステのせいで、ダブルキャストでヒーヒー言ってる人たちへの見方が変わってしまった。

 

この公演の後、私は本格的にボイメンにはまりFCにも入った。元々青春とか熱血に弱い人間ではあったが、彼らのように「諦めなければ夢は叶う!!!」  とここまで直に言われたのは初めてである。最後に印象に残った、辻本さんと田村さんの挨拶と推しメンになった小林さんについて書く。

 

・レッド公演千秋楽

辻本:(話す前から泣いてる)この公演、幕が開くのかとずっと心配していて、物語もそれに重なるところもあって…あと自分の演じた赤羽一真にも自分と重なるところがあって、最後に進太郎(弟)が一緒に両親のところに芸能生活を続けれらよう説得しに行くところで、一真はまだ芸能生活を送れるんだなあと思って…(号泣)

 

・ブルー公演千秋楽

田村:一生懸命この舞台のために稽古してきたので、それをみんなに見せられなくて…本当に…悔しい(泣きながら絞り出す声で)

そこまで詳しく知っていたわけではないが、二人が20代後半であるくらいの事前知識は持ち合わせてた。これまでにも沢山の役をやってきたであろう辻本さんが、涙が出るくらい今回の役に感情移入できること。陳腐な言葉になってしまうけど、辻本さんが演じた赤羽一真には本当に心を揺さぶられた。こういう感情はテレビドラマや映画等の映像演技では持つことがないので、改めて舞台ならではの醍醐味だと実感した。

そして田村さんの「悔しい」という言葉。私もオタクなのでこの期間で多くのチケットを紙切れにした。主催する側としては当たり前のことだとは思うが、正直何も悪いことをしてない人達が言う「ご迷惑をおかけして申し訳ありません」という言葉は聞く側もつらかった。その状況下で、自分の気持ちに素直になり「頑張って稽古してきたものを見せれなくて悔しい」と言える彼に涙が止まらなかった。

 

そして小林豊さん。これまでジャニーズばかり追いかけてきて世間一般的に知名度のある芸能人に疎い私は、恥ずかしながら小林さんがテニミュ俳優であることも仮面ライダーであることも知らなかった。レッド公演千秋楽の後またあの演目が見たいという思いでチケットを買ったので、最初はぼんやりと赤羽一真を演じる小林さんのことを見ていたのだが、あまりに顔が綺麗すぎて途中から双眼鏡で追っかけていた。この舞台の後に彼が運動神経が悪いということを知ったのだが、私が見た舞台上の小林豊さんからは全くそんな印象は受けなかった。小林さんの舞台上での所作はキレがあって本当にかっこよかったし、なにより主人公力が高くて一気に虜になってしまった。

 

私はこの舞台に出会えて良かった。余談だが、今回コール等がなくなったことも私にはとても都合が良かったのかもしれない。これも私の勝手な都合だけど、コールや過度な客席降りがあったら、きっと物語に集中できずただのファンサ舞台と位置付けていたはずだ。

もちろん見る人によっては予定調和のストーリーの舞台だとは思う。だが、私にとってこの舞台は大切な宝物になった。

またあの舞台を観劇できる日と、このボイステがシリーズ化するのを楽しみにしている。